呼吸している、えらい(気分変調症日記)

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船着場旅行社は閉業します。

 約一か月半ぶりの更新ですね。おひさしぶりです。
 モンハンと花粉と睡眠にまみれて、学生最後の休みが終わってゆきます。


 ここ1、2か月、卒業旅行と銘打って3回程泊りがけで出かけた。そのうち1回は、中学生時代の友人数人とのものだった。
 楽しかった思い出の存在も否定しないけれど、基本的にはあまり思い出したくない記憶の方が多い中学生時代。私の卑屈さの土台を見事なまでに築き上げてくれた3年間。そんな中出会って、10年以上友人をやっているこのメンバー。ここまで読んだ方は「友だちいない組かな」と思われるだろうが、不思議なことにそうではない。割とイケイケだった子から中間タイプから私みたいな陰キャラまで、幅広く取りそろえられている。今回の旅行中、布団の中で「なんでこのメンバーなんだっけ」という話にもなったけれど、正確に経緯を思い出せる人はいなかった。けれど10年。私がなぜこのメンバーに入っているのか、何度も頭を抱えた10年。

 このメンバーで泊りがけで出かけるのは、今回が初めてではない。そしてほぼ毎回、私が7、8割計画を立てていた。

 私はもう、生まれついての性分として、かなりの心配性だ。幼少期に比べていくらかマシにはなったものの、昔はほとんど病的だったように思う。
 だから、旅行もある程度計画を立てたい。
 「何時にどこへ行って、ご飯はここで何時に食べて」と事細かに計画を立て、「その通り実行されないとストレスが凄い!」というタイプでは決してない。ただ、電車の時間、飛行機の時間、バスの時間、宿のご飯の時間、そういった、「そこに合わせて行動しなければいけない時間」をきちんと把握して、それに合わせて観光内容や食事内容を考えておかないと不安でしょうがない。別に計画通り観光できなくてもご飯が食べられなくても構わない。ただ計画通りにいかなかったときのためにも、例えば「何時のバスには乗らないと駄目」というような、最低ラインの計画は必要だと思う。
 特にこのメンバーには免許保持者がいない。公共交通機関に頼るしかない以上、私の心配性と計画好きは毎度爆発する。

 そんな私に対し、この人たちは毎度あまり旅行の計画に前向きではない。
 前向きではないのに文句は多い。

 今回、私はぎりぎりまでバスの時間や電車の時間を調べなかった。私がやらなかった場合誰が具体的な話を出すのだろうと思ったから。結果、旅行前々日から旅行前日に日付が変わったあたりで、私の我慢の限界がきて、今回も電車、バス等々すべて調べ、最低ラインのプランを作成した。これがなかったら彼女たちは空港から動けなかっただろうし、宿の夕飯にも間に合わなかっただろうし、帰りの飛行機にも間に合わなかった。

 「行きたいね!」という話が誰かから持ち上がり、それにみんなが賛同して、わざわざ休みを合わせ、数万のお金を払っているはずなのに、なんで誰も一緒に考えようとしてくれないのだろう。「忙しい」「他の旅行中」って、確かに私は寝るかモンハンかしかしていないけれど、これはみんなの旅行じゃないのか。私、もはやツアー会社のお姉さんじゃん。しかもタダ働き。もっと感謝されるべきだし、なんなら全員から酒の一杯くらい奢られてもよくない???
 今まで、計画中は「なんで協力してくれないんだ」と文句を言いつつ、実際出かけるとみんなが楽しそうで、最後に「船ちゃんありがとう、楽しかった」「船着場旅行社だね」と軽く言われて、それが凄くうれしくて、「まあいっか」となっていた。しかも、何度も言うように、私は好きと性格で計画を立てている面もあるのだ。けれど今回、私ははっきりと確信した。私がこういうもやもやを抱えている時点で、この旅行は「楽しいもの」としては歪んでいる。「私のおかげで回ってるんだぞ」というおごりを私がみんなに対して持ってしまっていて、なおかつそれが冗談としてですら口にしにくい、という時点で、私はこの役割をこのグループで担うべきではないし、「やってやってる感」が抑えられない私は、きっとみんなに不快な思いをさせている。

"今回も電車、バス等々すべて調べ、最低ラインのプランを作成した。これがなかったら彼女たちは空港から動けなかっただろうし、宿の夕飯にも間に合わなかっただろうし、帰りの飛行機にも間に合わなかった。"
 数行前の私の文章。こんなことを考えてしまうような私は、純粋にみんなの楽しさを支える人間にはなれそうもない。だから、今回で私は旅行社を閉業する。もうこのメンバーとは旅行には行かない。

 私たちは、10年前のあの日のように、自転車で地元のファミレスに集合するのが一番良いのだ。


余談。
 別の旅行は、こちらも出会って10年弱の友人と2人で出かけた。1か月前に時間を作り、綿密な計画を立てて旅行のしおりを作った。誰かと一緒に計画を立てることは本当に楽しくて、計画を立てているときも含めて2回旅行をした気分になった。