呼吸している、えらい(気分変調症日記)

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うちの魚は良く寝る

あかちーとひれちーという2匹の魚と住んでいる。
メダカくらいのサイズの、ほんのり赤いスケルトンな魚。
アカヒレというらしい。

彼らは先日亡くなった親戚の家からやってきた。
小さい丸い容器に、小さいマリモと小さい水草と共に暮らしていた。

その容器は、空気は通すが水は通さないという不思議なフィルターが付いたふたをされていた。
そして一緒にカルキ抜きと餌が付いていた。

そのままその容器で飼うのかと思ったが、彼らの家を覆っていた箱に入っていた説明書から
「この容器は輸送用です。水槽に移してください」
と印刷された紙が一枚落ちた。
たぶん後付けで、人の手で切られ、入れられた紙だろうと思った。

その親戚の家から、同時に小さいプラスティックの水槽もやってきた。
付属のカルキ抜きで水をつくろうと思ったら、キャップ一杯で10ℓ分とあった。
私は昔アロマテラピー検定で、アロマの瓶からの一滴は大体0.05㎖であると学んだ事を思い出した。
このカルキ抜きの容器も大体似たようなものだろう。
計算して2ℓの水をつくった。

前の住処の水も少し混ぜて、新しい家を満たした。
親戚は、酸素のタブレットも用意していた。それも入れた。
その量は、一年以上もつものだった。

2匹は数か月たって、少し大きくなったように見える。
そして本当によく寝る。
彼らは寝ているとき、氷漬けになったようにピクリとも動かない。
浮きもしない。
水中で、完全にその動きを止めている。
どういう理屈なのか私にはわからない。
うっかり彼らが寝ているときに餌を入れようものなら、その餌は食べられないまま水底へ沈む。

大きくなる種なのかどうかわからないけれど、大きくなってほしいと思ってしまう。
大きくなることを無意識に善き事として願ってしまうのはどうしてだろう。

うちの魚は本当によく眠る