呼吸している、えらい(気分変調症日記)

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夢日記(繰り返しみる夢)

祖父母の家は、山の中にある。
道路は通っているが、木と、畑と、たまに家がある程度で、店はない。

祖父母の家に行く途中の道路(と夢の中の私は認識しているが、現実の道とは違う)が、大雨によって冠水してしまっている。
小さな川を超える、短い橋の部分が、増水した川によって半分壊され、川の水が少し引いた今も泥水が溜まっている。
橋は壊されている、という認識があるが、下半身が水に浸かることを気にしなければ、その上を通ることができる。車両も通る。
だだの冠水と、橋の崩壊と、橋に対して両方の認識が私の中で両立している。

まだ少し強めの雨が降っている。

濁った水面に雨粒が波紋を広げるのを、私はスマホで動画に撮っている。
そこには一台の車が停まっていて、大音量の音楽と共に誰かが踊っている気がする。

道路が冠水していても、私は祖父母の家に行くことが出来る。
だが、そこで母親と喧嘩をし、私は「二度と戻らない」と決意をして、かなりのいら立ちを抱えたまま外に出る。

その時点で雨は止んでいる。

外に出てしばらく歩くと、分かれ道に出る。
もう日没が近い。
標識が立っていて、いくつかの道を示している。
「〇〇の路」「〇〇」「〇〇」とある。
〇〇は思い出せないが、なにか寺院仏閣や、それに準ずる建物、神聖な、もしくはいわれのある土地を示していたと思う。
私は少し悩んで、「〇〇の路」に行くことにする。
本当は街へ行きたいが、私はこのどの道を選んでも街に出られないことを知っている。
前もここを通ったことを覚えている。
嫌々「〇〇の路」に入ると、薄暗い森の中に、地面から一段高い位置に木の通路が作られている。
湿地帯などの観光地にいくと敷かれているものと同じだ。
しかし地面にはコーラの赤いラベルが落ちているのが見える。

私はあきらめてその道を進む。
森の向こうに街の明かりが見えて、そちらに近寄ろうと思っても、木の通路がそうさせてくれない。
木の板から降りて、地面に足を付けようとは思えない。

しばらく行くと、急に住宅街に出る。
私が今立っているところは坂道の一番上で、急斜面に沿ってマンションやアパートや戸建て住宅が並んでいる。
どうやらその地域の中でも高台のようで、手前は暗いが、右奥の下の方に街の明かりが見える。
しかしその明かりまでは遠そうだ。
左手は黒いフェンスの向こうにマンションや駐車場がある。
それを超えて左側の街を目指したい。
そう思った私は、そのフェンスを飛び越えたりよじ登ったりすることを試みる。

その試みは、たまに成功し、よく失敗する。

成功した場合、私はマンションの駐車場に降り立つ。
駐車場には警備員二人と、喧嘩をしている男女、そしてあと二人ほど人がいる。
見つかってはいけないので、停めてある車に身をひそめながら、私はマンションの向こう側の道路へ出る方法を考える。
夢の中の認識では、マンションの中を通過しないと、向こう側へ出られない。

意を決して私はマンションの廊下へと飛び込む。
身体は浮遊している。
廊下も屋内にあるタイプのマンションで、女性しか住んでおらずほぼ共同生活の感覚らしく、部屋のドアが開きっぱなしだったり、バスタオルを身体に巻き付けた状態の女性が部屋から出てきたりしている。
私は開いたドアに隠れたり、部屋の中に隠れたりしながらすごいスピードで廊下を飛びぬける。
私の影や音に気付いた住民が声を上げるが、構っていられない。

廊下の突き当りまで来て、階段スペースから階下へ降りようとした瞬間、突き当りの壁に、白地に黒で、おそらく筆で、私の苗字が書かれた紙が貼ってあるのが目に入る。
同時に、誰か女性がやはり私の苗字を呼んだ気がする。

「同じ苗字の人が住んでいるのだろうか」
私はそう思ったが、止まることなく、階下へと飛んだ。