呼吸している、えらい(気分変調症日記)

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仕事と不安と気分変調症と人生と

1年以上ぶりです。船着場です。

この1年、いろんなことがあったような気がするのですが、何があったかほとんど覚えていません。
とにかく現状として、1か月の休職期間を経て、新卒入社した会社を退職します。
今現在はハローワークで就職支援を受けている状態です。

なんでこのブログに戻ってきたかといえば、単純にパソコンを買ったからです。

就職してからのことは本当によく覚えていないのですが、人生の中で中くらいのサイズの出来事がありました。
それは「気分変調症」と診断されたことです。
気分変調症の仲間を探そうとしたけれどブログ等々あんまり見かけなかったので自分で書きます。
「あ、同じことでしんどそうにしてる人おったわ」
って思いたい人は読んでください。

※「気分変調症」と調べると、心療内科のHPなどがいっぱい出てきます。
病気について正確な情報が知りたい方はそっちを見てください。
※このエントリーでは、あくまで私の現状、しかも良いとは言えない現状だけをつづります。
病気の詳細や医学的なことや前向きなことは何も書かれていません。ご了承ください。


「気分変調症」って聞いたことある人のほうが少ないと思います。
私も初めて医者から言われたとき、「は?」と思いました。
もっとストレートに言うと「いやなんだよその「お前は気分屋です」みたいな病名は」と思いました。
今でも思ってますし、4割くらいは「本当に私がただ気分屋なだけなのでは?」という気持ちもあります。

簡単に言うと「軽度のうつ状態が2年以上続く」病気。
もっと簡単に言えば「年単位でずっと落ち込んでいる」病気です。
※重ねてになりますがきちんとしたことは他サイトを参照してください※


診断された経緯

詳しいことは省きますが、職場の環境がなかなかハードでした。
お客さんから怒られ、同じ職場内では悪口が飛び交い、先輩には怒鳴られるという状況で仕事をしているうち、精神的にめちゃくちゃ追い詰められていきました。
「ご飯を食べる気にならない(おいしいと思えない)」「希死念慮(死にたい、と思うこと)」「強い自責の念」という症状に毎日悩まされるようになり、仕事中も帰宅後もずっと「なんで生きているんだろう」「死んだほうがマシ」という思考が脳内をぐーるぐるしていました。それでも笑顔で仕事していた私は偉いと思います。偉い。えらい。

さらに、大学生の時から「自己肯定感がかなり低い」「自分に自信が全く持てない」「テレビを見るのが怖い」「周囲や世間に対する強い罪悪感」「無気力」という状態に常にありました。
正直大学生の頃から「あれ? 私おかしいのでは?」と思うこともあったのです。
でも「これが私の性格だ」と思っていました。
「どうしてこう育ってしまったんだろう」
「あの子はあんなにバイタリティ溢れる学生生活を送っているのに」
「両親はこんなに大事にしてくれているのに」
自分が悪い、自分が悪い、ずっとそう思って、大学生活を送っていました。
未遂の未遂程度ですが、首を吊ろうとしたことも数回ありました。

職場の環境に耐えかねて、大学生の頃からの精神状態も踏まえ心療内科を受診したところ、おじいちゃん先生から告げられたのが「気分変調症」でした。

診断されたところで

おじいちゃん先生曰く「あなたの場合はもともとの性格も深く関わっている」ため、治りにくいとのこと。
ただし職場は変えるべきなのは間違いないとも言われました。
今考えると当たり前すぎるけどその判断もできなくなってました。

診断されて、病名をもらって、3か月間薬とカウンセリングを受けて。そうしたところで。
ぶっちゃけすっごい楽になったかといわれると、そーでもありません。

不安になって同じ病院の上記とは別の先生に
「これ治るんですか?」
って聞いたら
「時間がかなりかかります。病気でもあるし、あなた自身の問題でもあるから」(意訳です)
とのお答えでした。

私の場合、心のかなり深いところに「自分を卑下しまくるヤツ」が存在しているんだと思います。
そして事実、私はそいつに頼っていた面もあります。
自分を卑下して自分の可能性を見限るのってすっごい楽じゃないですか。
けれどそいつに頼っているうちに、「本当はできること」すらも「できない」と判断するようになって、「できない」が「自分はダメな人間だ」になって「ダメな人間だからできない」になって、以下地獄の無限ループです。
この地獄が本当に地獄(語彙力がない)。

精神的な病気にかかっている人には共感してもらえるんじゃないかと思うんですが、この地獄自体が病気によって生み出されたものなのか、それとも自分の性格によって生み出されたものなのかがわかんないんですよ。
自分でもわからないのに、他人から「お前が悪い」って言われたら、「ああ、やっぱりか」ってなるに決まってます。
「自分はダメな人間だ」の根拠として「あの人から「お前が悪い」と言われた」という呪いが付加されます。
こうなってくるとどんどんループが強化されて、どんどん首が締まっていきます。どんどん。


カウンセリングと占いでほめられまくる

通院がまったく効果がなかったかというと、そうでもないと思います。
というかそう思いたい。

カウンセリングに2週間に1回通っています。
カウンセリングの先生がしてくれたことは、「とにかくほめまくる」ことでした。
自分で自分をほめることができない私の代わりに、先生が私をほめてくれる。
正直、カウンセリングの先生は私一人を見ているわけではないし、会う頻度も2週間に一回なので、私に対する記憶もあいまいだと思います。
でも、「赤の他人から認められる」ということは、私の中の「卑下魔人」(今命名しました、たぶんひげ面です)を少しずつ、すこしずつ弱らせていってくれているように思います。

あともう一人、私の中に大きめの変化をもたらしてくれた人がいます。
友人とのお出かけの中で成り行きで占ってもらった占い師さん。

占い師さん「何が知りたいですか? 恋愛とかかしら?」
船着場「あの…何を見てもらったらいいかわからないくらい…人生が…わかりません…」

このやりとりのせいか、20分の占い時間中、何かを計算しているときも、カードを切っているときも、ノンストップで
「あなたはね、できる子なの」
「大丈夫よ、もって生まれてるわ」
「いい数字のもとに生まれている」
「このカードが出たということはね、これ以上悪くはならないわ」
「あなたはね、ビッグになる力がある」
とほめ続けてくれました。休職していることに関しても
「今はちょうど休むべきときなの。休んでいていいのよ」

正直、家族や友人からのほめことばやはげましより、なぜか私には刺さりました。
カウンセラーさんと同じく、「赤の他人」というところが関係しているように思います。
自分の世界の外側にいる人からも受け入れてもらえたという安心感というか、承認欲求が満たされたというか。

憂鬱のどん底にいる人は、一度占い行ってみるといいと思います。


休職と、退職と、転職と

気分変調症が治る、というのがどの状態を指すのか私にはわかりません。
もし大学生のときからり患していたのだとしたら、高校2年生くらいの一番生き生きしていた気がするときのメンタルに戻ったときなのかな、とかぼんやり考えます。でも正直そんな自分を思い出せません。憂鬱で、しんどくて、生きていくのが怖すぎる期間が長すぎて。

ひとまず休職という形で仕事から離れ、怒られることも悪口を聞かされることも失敗を不安に思うこともなくなったのですが、やっぱり「人生に対する強い不安」からは逃れることができていません。
一日一日が過ぎていくのが怖いし、休職している自分に対する情けなさや罪悪感に苛まれ続ける毎日です。
「仕事しなくていい!ハッピー!」
とはなりません。
ずーっと心臓がどきどきしているし、テレビで笑っている人を見ると息が苦しくなるし、友人と会うのもおっくう。
そしてやっぱりその不安が病気のせいなのかなんなのかわからない。

私はとにかく元の職場に戻っても同じことの繰り返しだと思ったので、休職から復職はせずに退職を選びました。
ハローワークに通う日々を送っていますが、毎日、「私なんかが就職できる会社なんてない」「条件の良い会社に自分が入るべきではない」という自己否定感と「次の職場でもまた同じことになるかもしれない」という不安感、「就職できたとしても私の人生は明るいものになりようがない」という絶望感に襲われています。

ここまで長々読んでいただいた方はおわかりかと思いますが、私の憂鬱はなーんも解決していません。
毎日苦しい。なんで生まれたんだろって思います。
きっと、この状態が理解できない人も世の中にはたくさんいると思います。
そんなんお前の精神力が弱いだけだろって言いたい人もたくさんいると思います。
そしてそういう人は実際うつ病や気分変調症には罹りにくいんだろうと思います。

この文章は、初めに書いた通り、
「同じようにしんどそうな人おったわ」
と思ってもらいたいがためだけに書きました。
そう思うだけで、ちょっと気持ちが軽くなることを知っているからです。

最近涼しくなって秋のにおいがすることは、たぶん人生のうちでとても幸せなことなのだと思います。