呼吸している、えらい(気分変調症日記)

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別にトラウマなんてない、たぶん

先日、実家に帰った。
帰省するたびに一回は情緒がぶっ壊れて洗面所で呆然として泣いてしまう。
理由はわからない。明日病院に行くので聞いてみようと思う。

自分で少し分析してみた限り、私の場合、「安心出来る空間」は今の家で、「安心できる人」は家族なのだと思う。
実家に帰ると、安心できる人は周りにいるが、どこかでもう「自分の家じゃない」という気持ちがあって、落ち着かない。
落ち着かなさとふがいなさが同時に押し寄せてメンタルがクラッシュするようだ。
あとは前回のエントリーで書いた「やらなきゃいけないこと」に余計に追い詰められる。実家だと自分のスペースがないので何も手に付けられない。
一番安心するのは、母親をはじめとする家族が今の家に泊まりに来てくれたときだ。
でも、母の身体は一つだ。
「ずっと泊まっていて」なんて言えるわけないので、私は寂しさを紛らわすためにこのブログを書く。


私は、家族のことが好きだ。

精神に病を抱えている人のブログやツイッターではよく、いわゆる「毒親」の存在が叫ばれている。
個性を全く認めてくれない親。
異常に過保護な親。
虐待をする親。
病気に対して偏見を持つ親。
私の両親は、そのどれにも当てはまらない。

私のことを大切に、愛情深く育ててくれたし、今現在も、私の病気に対して理解があって、協力してくれて、心配してくれている。
(最初から100%分かり合えていたわけじゃないけれど、「前職」という明確な「敵」の登場により、親も気持ちの上で私の病気を理解しやすくなったのではないかな、と思う)

じゃあなんで私は精神を病んだのだろうか。

病院の先生は
「何か掘り返したくない、つらい過去があるはず。それと向かい合わなければいけない」
と言った。
昔から何となく、周囲から浮いているなという違和感はあった。でも友だちはいた。少なかったけど。
いじめられたこともある。でも正直いじめたこともある。
これといって「こうして私は心を蝕まれていったのだ…」みたいなナレーションがつきそうな過去は見当たらない。

カウンセラーの先生は
「話を聞く限り、周りの環境で何かきっかけになったものはなさそうなのよね」
「あなたが楽しめるもの、何かないかしらね」
と首をかしげて言った。

高校生の時の記憶。
いじめられてはいなかったけど、自分が確実にスクールカーストの下の方にいると思っていた。
事実、教室でも何となく浮いていた。
部活の大会で、メインメンバーに選ばれるより補欠のサポートメンバーに選ばれる方が嬉しかった。
自分が活躍できる自信が全く無かったから。
それでも高校生活は楽しかった。

中学生の時の記憶。
友人Aのセリフ。
「ハルはさあ、自分が言うより300倍は可愛いよ」
私があまりにも自分の容姿を卑下するから、ほめるというよりは呆れかえるという声音だったのを覚えている。

小学生の時の記憶。
鏡の前の私。独り言。
「こんなにブスなのに友だちがいるのは、もしかして私性格がとてもいいからじゃないのか?」
「いや、性格はクソ悪いのに友だちがいる。これはもしかして私の顔がいいからじゃないのか?」
すでに、「自分の魅力」と「理由のない友情」を見失っている。

幼稚園生の時の記憶。
バレンタインデーに4人の男の子に直接チョコレートを渡していた。
自信満々に。

小学校で何かあったのだろうか。

わからない。
わからないのだ。
私のこの心の闇は、何か大きな理由が、きっかけが、なくちゃいけないもののような扱われ方をするけれど、そんなものなかった。
親とか仕事とか、敵がいなくちゃいけないような扱われ方もするけれど、それも私にはぴったりあてはまらない。
重症化したのは確かに前職のせいかもしれないけれど、でも私は絶対大学生の頃からおかしかったと思っている。
事実、先生は「今のあなたの状態が、周囲から感情のはけ口にされやすい状態になっている」と言った。
つまり、職場で先輩から攻撃されたり、いろんな愚痴を聞かされたのは、そもそも私が病気だったからってことになる。

というかこうやって振り返ったら大学生よりもっと前からおかしかったんじゃないか。

親がどんなに優しくても、友だちがいても、仕事に就けても、苦しい。
じゃあどうしたら解決できるのか、が全く分からないので、さらに苦しい。

きっとこれを読んで、「ただのわがままじゃん、あほくさ」という人がいると思う。
わかります、私も自分に対してそう思います。

でも私が苦しいという事実がここにある。
希死念慮とか、動かない身体とか、どうしようもない絶望感や不安感とか、そういうものに強さの波はあれどほぼ毎日さらされる人生がここにはあるんです。

書いてるうちに病気かそうじゃないかはどうでもよくなってきた。
本当はどうでもよくないです、病気なら治るんですから。

この人たちにも何か明確なきっかけはあったのだろうか。
私みたいに「恵まれた」環境でもうつ病の類になってしまう人はどれだけいるのだろうか。
いてほしくないけど、いてほしい。

おわり