呼吸している、えらい(気分変調症日記)

<

台風が怖すぎて精神が壊れた

前回の記事で鬱の波が来ていると書いたけれど、その波が引かない。

8月中旬~9月にかけて休職して、カウンセラーさんから「ハローワークに行ってみましょう」と勧められ、「もうだいぶ復活したんだ」と自分でも思っていたけれど、これはいわゆる一時的な寛解期だったというだけで、今はまた鬱状態に陥っているのではないか。

台風が私の住んでいるところの上を通過していったあの日、私は恐怖と不安から文字通り全く動けなくなり、部屋の真ん中でスマホを握りしめて座り込んだまま、10時間以上同じ場所にうずくまっていた。
テレビでNHKの台風特番をつけっぱなしにして、アナウンサーさんの真剣な声と、「大切な命を、守る行動をとってください」という言葉に静かに首を絞められ続けていた。
とにかく手当たり次第連絡のつきそうな友人にLINEでメッセージを送った。
普段でも誰かと常に繋がっていないと恐怖で苦しいときがあるのに、この状況でLINEが鳴らないというのは精神の崩壊に直結すると思った。既にもう発狂寸前だった。

何とか動けた午前中に、昔好きだったアイドルのグッズである大きめのリュックを引っ張り出して、そこに避難用のもろもろを詰めた。

親が少し前に持ってきてくれていた2リットルの水
前日に買ったレトルト・インスタント食品、チョコレート
インターネットで見たラップ(紙皿にかけて使うとそのお皿を繰り返し使える)
ウェットティッシュ
替えの下着
ライブグッズのマフラータオル
一番くじの景品のタオル

他に備えられるものは何も持っていなかった。
リュックは薄い布製だったので、部屋の隅に転がっていたユニクロのビニル袋に無理やり突っ込んで防水対策とした。
切り詰めちゃいけないところまで切り詰めた生活をしてきた結果だ、と後頭部をぶん殴られたような気持になった。
リュックに入りきらなかったカップラーメンと、停電したらすぐ使えるようにリュックには入れなかったランタンを床に積み重ねて、そのとなりで必死に台風に負けないくらい大荒れの心と向き合った10時間。
地獄。

心臓がずっと痛いくらいに早鐘を打ち続けて、息を胸いっぱい吸い込むことができない。
困ったことに、台風が去った今もできない。
次の日はもともと舞台を観に行く予定だったのだが、電車の中で何度しゃがみこもうと思ったかわからない。
舞台は素晴らしかったけれど、前情報ほぼなしで観に行ったら内容が生々しく「死」をえぐっていて、素晴らしかった分余計に首を絞められてしまった。

今日、ついに泣きながら母親に電話した。
仕事を休む直前の心理状態に戻ってしまいました。
もう私はだめです。
就職活動もこの先続けていくのが苦しいです。

母はいつでもめちゃくちゃ前向きで、そして楽観的だ。
なんでこの母から私が育ったのかが本当に謎。

「そんなに焦らなくてもいいじゃないの」
「将来のことなんてだれにもわからないんだからどうにでもなるよ」
「その就活イベント?別に無理して行かなくてもいいんじゃないの」

「頑張らなきゃ」と思いつつ現実は全く頑張れていない私に対し、母はいつも「頑張らないでいい」という。
私はそれに素直に甘えていいのかわからない。

今頑張らなかったら一生頑張れない気がする。
「そんなことは絶対にない」

母の言葉に甘えて、私が一生引きこもりになったらどうするんだろう。
「どうしようねははは」

具体的な解決策は何も出てこなかったけれど、少し気分は楽になった。
母は偉大だ。

おわり